主な論点
材料名が「膨張剤」だけのとき、アルミニウム含有の有無などを推測しないでください。
生地を膨らませる
生地の内部に気泡を作り、焼き菓子をふっくら仕上げる目的で使用される添加物の表示です。
クッキー、ケーキ、ビスケットなどの生地に気泡を生じさせて食感を調整します。「膨張剤」「膨脹剤」など表記の違いがあります。
炭酸水素ナトリウム(重曹)に、加熱や水分で反応する酸性ピロリン酸ナトリウム等の酸助剤や遮断剤(コーンスターチ等)を均一に混合して製造します。
一般にベーキングパウダーとも呼ばれ、ガスを発生させて生地を膨らませます。
材料名が「膨張剤」だけのとき、アルミニウム含有の有無などを推測しないでください。
特定の添加物を避けたい場合は、成分名をメーカーに確認してください。
根拠の種類:国内の表示制度
消費者庁の資料では「膨張剤」は認められた一括名の一つです。代表例には炭酸水素ナトリウムや酸性剤との組合せがあり、加熱時に生じる気体で生地を膨らませます。
根拠の種類:評価上の制限
炭酸水素ナトリウムを含む場合もありますが、すべての製品に含まれるとは限りません。特定成分の影響を評価するには配合成分と使用量を確認する必要があります。
| 項目 | 日本 | 米国 | EU |
|---|---|---|---|
| 規制の厳しさ | ゆるい | ふつう | きびしい |
| 制度上の扱い | 炭酸水素ナトリウム(重曹)を主剤とし、酸性剤(酒石酸水素カリウム、グルコノデルタラクトン、リン酸塩、焼ミョウバン等)や遮断剤(でん粉)を組み合わせた製剤または単一物質が指定添加物として管理されています。 | 炭酸水素ナトリウム(21 CFR 184.1736)やリン酸一カルシウム(21 CFR 182.1217)などがGRAS(一般に安全と認められる物質)として定められています。 | 食品添加物規則(EC)No 1333/2008のユニオンリストにおいて、「膨張剤(raising agents)」として炭酸水素ナトリウム(E 500(ii))、酒石酸カリウム類(E 336)、二リン酸塩(E 450)などが収載されています。 |
| 使用条件 | 炭酸水素ナトリウム自体は使用量上限のない適量使用ですが、アルミニウムを含む酸性剤(硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム)には、小児の摂取量低減のためパン・菓子類等への厳しい使用基準(アルミニウムとしての上限)が定められています。 | 適正製造基準(cGMP)に基づき、目的とする膨張効果を達成する最小限の量で使用します。アルミニウム含有膨張剤(酸性リン酸アルミニウムナトリウム:21 CFR 182.1781等)もGRAS指定されていますが、使用実態の低減が進んでいます。 | 炭酸水素ナトリウムや二リン酸塩などは各食品カテゴリーの使用基準に基づき使用されます。EFSAの評価に基づき、アルミニウム含有添加物の使用基準は大幅に削減・制限されています。 |
| 原材料表示 | 添加物表示基準に基づき、一括名「膨張剤」「膨脹剤」「ベーキングパウダー」または「ふくらし粉」での表示が認められています。 | 21 CFR 101.4(b)(16)に基づき、集合名「leavening」に続けて括弧内に個別の物質名を配合比率順に記載する形式(例:「leavening (baking soda, monocalcium phosphate, calcium carbonate)」)または個別物質名での表示が義務付けられています。 | 用途名(機能カテゴリー名)である「raising agent」に続けて、個別物質名またはE番号を併記して表示します(例:「raising agent: sodium carbonates」または「raising agent: E 500」)。 |
| 近年の見直し | 厚生労働省は2018年(平成30年)にアルミニウム含有添加物の使用基準を改正・厳格化し、小児の耐容週間摂取量(PTWI)超過リスクを低減するためアルミニウムフリー膨張剤への転換が進められました。 | FDAおよび学術調査において、ベーキングパウダー中のナトリウム量やアルミニウム化合物の摂取動向が監視され、代替有機酸塩への処方変更が業界で広がっています。 | EFSAはアルミニウムの耐容週間摂取量(TWI: 1 mg/kg体重/週)を設定し、焼き菓子やシリアル製品由来の過剰曝露を抑えるため、膨張剤を含むアルミニウム添加物の認可見直しおよび最大許容量の引き下げを実施しました。 |
資料の公表年とKS2|Know, Select, Stay Wellの調査日は別です。各資料の対象・条件は本文を参照してください。国内外の規制判断は適用地域や評価年が異なります。
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