PRESERVATIVE & SHELF-LIFE GUIDE
保存料・日持ち向上素材を調べる
食品が傷むのを防ぐ素材には、法律で「保存料」と用途名が表示されるものと、「pH調整剤」「グリシン」などの日持ち向上素材があります。
「保存料不使用」の表示を読むときのポイント
「保存料不使用」と書かれていても、食品の劣化を防ぐためにpH調整剤やグリシン、酢酸Naなどの日持ち向上素材や、酸化を防ぐビタミンCなどが使われている場合があります。日持ちの仕組みはパッケージの原材料表示全体を見て確認します。
食品の保存と日持ちで確認したいこと
指定保存料
ソルビン酸や安息香酸などは、用途名「保存料」と物質名が併記されます。使用基準が食品ごとに細かく定められています。
日持ち向上剤
米飯や惣菜で使われるpH調整剤やグリシンは、酸性度やアミノ酸の働きで菌の増殖速度を穏やかに抑えます。
亜硫酸塩と過敏反応
ワインや乾燥果実の酸化・変質を防ぐ亜硫酸塩は、喘息体質や過敏症の人への注意が必要です。
指定保存料(用途名併記が必要な添加物)
カビや細菌などの増殖を抑える目的で使われる添加物。法律上、用途名「保存料」と物質名の併記(例:保存料(ソルビン酸K))が義務付けられています。
3種類の素材日持ち向上剤・静菌素材(一括名・個別成分)
食品のpHを下げたり、アミノ酸の静菌性を利用して日持ちを伸ばす素材。「保存料」という用途名表示の対象外ですが、実質的に品質保持を担います。
5種類の素材酸化防止・漂白を兼ねる保存料(亜硫酸塩など)
乾燥果実やワインなどで、酸化防止・変色防止・微生物抑制を兼ねて使用されます。感受性の高い人への注意喚起が行われています。
3種類の素材指定保存料(用途名併記が必要な添加物)
カビや細菌などの増殖を抑える目的で使われる添加物。法律上、用途名「保存料」と物質名の併記(例:保存料(ソルビン酸K))が義務付けられています。
| 原材料・添加物名 | 主な働き(メカニズム) | 使われる主な食品 | 摂取基準・健康面の評価 | 表示での確認方法 | 詳細・商品 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソルビン酸カリウム解説あり | カビや酵母、細菌の増殖を抑えて腐敗や傷みを防ぐ。 微生物の細胞膜や酵素活性に作用し増殖を抑える。 | チーズ、魚肉練り製品、ジャム、シロップ、菓子等 | JECFAのグループADIは0〜25 mg/kg体重/日(ソルビン酸換算)。 | 原材料表示で「保存料(ソルビン酸K)」などの併記を確認。 | 商品候補(5件) → |
| ソルビン酸解説あり | 酸性域でカビや好気性菌の増殖を抑える。 非解離型のソルビン酸分子が細胞内に浸透して作用。 | チーズ、加工肉、漬物、菓子等 | ソルビン酸塩類と合算したADI(0〜25 mg/kg体重/日)で評価。 | 原材料表示で「保存料(ソルビン酸)」の表記を確認。 | 商品候補(1件) → |
| 安息香酸ナトリウム解説あり | 清涼飲料水やシロップ等の酸性食品で微生物を抑える。 酸性環境下で非解離型の安息香酸として高い静菌力を発揮。 | 炭酸飲料、シロップ、果汁加工品等 | JECFAのグループADIは0〜20 mg/kg体重/日(安息香酸換算、2021年改訂)。 | 「保存料(安息香酸Na)」の表記を確認。 | 商品候補(1件) → |
日持ち向上剤・静菌素材(一括名・個別成分)
食品のpHを下げたり、アミノ酸の静菌性を利用して日持ちを伸ばす素材。「保存料」という用途名表示の対象外ですが、実質的に品質保持を担います。
| 原材料・添加物名 | 主な働き(メカニズム) | 使われる主な食品 | 摂取基準・健康面の評価 | 表示での確認方法 | 詳細・商品 |
|---|---|---|---|---|---|
| ポリリジン解説あり | 天然由来(放線菌発酵)の抗菌性ペプチドとして静菌する。 微生物の細胞表面に結合し、増殖を阻害する。 | 惣菜、米飯、麺類、和洋菓子等 | 日本で既存添加物として使用。指定保存料とは異なり一括名対象ではない。 | 原材料表示に「ポリリジン」と個別名で記載。 | 商品候補(1件) → |
| pH調整剤解説あり | 食品のpHを弱酸性に保ち、細菌が増殖しにくい環境を作る。 食品の水素イオン濃度(pH)をコントロールし静菌。 | コンビニおにぎり、弁当、サンドイッチ、菓子等 | クエン酸塩や酢酸ナトリウム、リン酸塩等の混合物。一括名表示。 | 「pH調整剤」と一括名で表示されるため内訳成分は表示からは特定できない。 | 商品候補(22件) → |
| グリシン解説あり | アミノ酸の一種で、穏やかな静菌力により日持ちを向上させる。 細胞壁合成を阻害して菌の増殖速度を低下させる。 | 惣菜、サラダ、調理パン、米飯等 | タンパク質構成アミノ酸。調味料または日持ち向上目的で使用。 | 原材料表示に「グリシン」または「調味料(アミノ酸)」として記載。 | 商品候補(1件) → |
| 酢酸ナトリウム | 酢酸の静菌作用により細菌・芽胞菌の増殖を抑制する。 pH低下および酢酸分子の静菌作用による。 | 米飯、惣菜、水産加工品等 | 酢酸NaはpH調整剤や酸味料、調味料としても用いられる。 | 「酢酸Na」個別表示または「pH調整剤」に含まれる。 | 商品候補(0件) → |
| しらこたん白抽出物 | 魚類(サケ等)の白子から抽出したプロタミンによる静菌。 塩基性タンパク質が細菌の細胞膜に作用。 | 麺類、惣菜、水産加工品、菓子等 | 既存添加物。サケ等由来の場合はアレルゲンにも注意。 | 「しらこたん白」「白子蛋白抽出物」等の表示を確認。 | 商品候補(0件) → |
酸化防止・漂白を兼ねる保存料(亜硫酸塩など)
乾燥果実やワインなどで、酸化防止・変色防止・微生物抑制を兼ねて使用されます。感受性の高い人への注意喚起が行われています。
| 原材料・添加物名 | 主な働き(メカニズム) | 使われる主な食品 | 摂取基準・健康面の評価 | 表示での確認方法 | 詳細・商品 |
|---|---|---|---|---|---|
| 亜硫酸塩 | 微生物の増殖抑制とともに、褐変防止・酸化防止を果たす。 二酸化硫黄の還元作用と酵素阻害作用。 | 乾燥果実、ワイン、甘納豆、煮豆等 | 喘息患者や亜硫酸塩過敏症の人に気管支収縮等を起こす報告がある。二酸化硫黄換算ADI 0〜0.7 mg/kg体重/日。 | 「漂白剤(亜硫酸塩)」「酸化防止剤(亜硫酸塩)」等と表示。 | 商品候補(8件) → |
| メタ重亜硫酸ナトリウム | 亜硫酸塩類の一種として酸化防止・微生物抑制を担う。 水溶液中で亜硫酸を生成し作用。 | 乾燥果実、エビ・カニ、ワイン等 | 亜硫酸塩類の総二酸化硫黄量として合算評価。 | 「酸化防止剤(亜硫酸Na)」等の表記を確認。 | 商品候補(2件) → |
| 亜硝酸ナトリウム | ボツリヌス菌の増殖抑制(保存)と肉製品の発色・保色を担う。 ヘム色素と結合して鮮赤色を保ち、芽胞菌の生育を阻害。 | ハム、ソーセージ、ベーコン、塩蔵魚卵等 | JECFAのADIは0〜0.07 mg/kg体重/日(亜硝酸イオン換算)。乳児は対象外。 | 「発色剤(亜硝酸Na)」の表記を確認。 | 商品候補(7件) → |