主な論点
大豆や卵のアレルギーがある人は原料由来の表記と製品のアレルゲン情報を確認してください。 EFSAは2017年に、報告された食品添加物としての用途・摂取量では安全性の懸念はないと評価し、数値のADIは不要としました。原料由来のアレルギー表示は別に確認します。 同じ名前でも原料が大豆・卵・ひまわり等で異なり得ます。商品別の使用量は不明です。
油分と水分を混ざりやすくする
リン脂質を主成分とする物質群で、食品の乳化や加工性を調整する目的で使われます。
チョコレートの粘度や食品中の油脂の分散を整えるなど、乳化剤として利用されます。大豆由来・卵由来など原料はさまざまです。
油脂の脱ガム工程で水和・沈殿分離されるリン脂質画分を濃縮・乾燥して製造します。
天然の両親媒性(水にも油にも親和する)界面活性物質(乳化剤)です。
大豆や卵のアレルギーがある人は原料由来の表記と製品のアレルゲン情報を確認してください。 EFSAは2017年に、報告された食品添加物としての用途・摂取量では安全性の懸念はないと評価し、数値のADIは不要としました。原料由来のアレルギー表示は別に確認します。 同じ名前でも原料が大豆・卵・ひまわり等で異なり得ます。商品別の使用量は不明です。
レシチンは乳化剤の一例です。大豆・卵由来の場合があり、食物アレルギーでは商品のアレルゲン表示を確認します。 「乳化剤は腸を傷つける」という一般論を、レシチンE322のヒト摂取リスクと同一視することはできません。個別の乳化剤と投与量が異なります。 頭痛、下痢、アレルギー様症状、血糖への一般的な因果関係を確立した資料として、このEFSA再評価を扱うことはできません。由来アレルゲンと、添加物自体の作用との区別が必要です。
根拠の種類:規制機関の再評価(2017)
EFSAは食品添加物としてのレシチン(E322)に数値のADIを設定する必要はなく、報告された用途・摂取量の条件で一般集団への安全性上の懸念はないとしました。これはレシチンに関する評価です。
根拠の種類:用途と効能の区別
食品の乳化に役立つという性質から、レシチンを含む菓子に認知機能改善などの効果があるとは判断できません。摂取量や研究対象を確認する必要があります。
根拠の種類:規制機関の安全性再評価
EFSAはE322の報告された用途・曝露量に基づき、一般集団に安全性の懸念はないとし、数値のADIは不要と結論しました。これはすべての乳化剤についての評価ではありません。
| 項目 | 日本 | 米国 | EU |
|---|---|---|---|
| 規制の厳しさ | ふつう | ふつう | ふつう |
| 制度上の扱い | 植物(大豆等)や卵黄から得られるリン脂質混合物であり、既存添加物(または酵素分解・分別物等)として乳化剤用途等に収載されています。 | 21 CFR 184.1400に基づき、大豆油やコーン油等から精製される複合リン脂質としてGRAS(直接食品成分)に指定されています。 | 食品添加物規則(EC)No 1333/2008のポジティブリストにおいて、乳化剤E 322として収載されています。 |
| 使用条件 | 成分規格が定められています。生体成分・天然リン脂質であるため通常の一般食品で数値上限はなく、適量使用(GMP)です。 | 適正製造基準(cGMP)に基づき、乳化・酸化防止等の技術的効果に必要な量で使用できます。 | 量子満足原則(quantum satis)が適用されます。乳幼児用特殊食品(生後16週未満向け乳児用調製乳など)においても厳格な規格基準のもとで使用が認められています。 |
| 原材料表示 | 一括名「乳化剤」として表示可能です。ただし大豆や卵に由来する場合は、アレルギー表示義務(特定原材料の大豆・卵)に基づくアレルゲン表示(例:「乳化剤(大豆由来)」)が必要です。 | 一括名「emulsifier」は認められず、「soy lecithin」など個別物質名を表示します。大豆由来の場合は主要食物アレルゲン表示義務(FALCPA)に基づき「Soy」の開示が必要です。 | 用途名「emulsifier」に続けて「lecithins」または「E 322」と表示します。大豆や卵に由来する場合はアレルゲン表示規則に基づき原材料一覧中で強調表示(太字等)する義務があります。 |
| 近年の見直し | アレルゲン表示制度の厳格化に伴い、高度精製油やレシチンにおけるアレルゲン由来表記の徹底が図られています。 | 大豆レシチンの交差汚染防止や、遺伝子組換え農産物由来原料の表示(National Bioengineered Food Disclosure Standard)に基づく確認が実施されています。 | EFSAは2017年に一般集団向け再評価を完了(数値ADI不要と結論)、2020年には生後16週未満の乳幼児向け特殊食品における安全性再評価を公表し(EFSA Journal 2020;18(11):6266)、コリン曝露を含め安全性懸念はないと確認しました。 |
資料の公表年とKS2|Know, Select, Stay Wellの調査日は別です。各資料の対象・条件は本文を参照してください。国内外の規制判断は適用地域や評価年が異なります。
特定の原材料を除外して検索しても、その原材料が不使用であることやアレルギー上の安全性は証明できません。購入時には現在のパッケージとメーカー情報を確認してください。