主な論点
旧来のラット研究だけでヒトに発がん性が確立しているとは言えません。ADIや使用条件の国・年度にも注意が必要です。
少量で強い甘味を付ける
古くから使われている合成高甘味度甘味料で、2024年にEFSAが安全性を再評価しました。
糖類の代替として、少量で甘味を付けるために使用されます。
石油化学由来のo-トルエンスルホンアミドを酸化するか、無水フタル酸からアントラニル酸を経て有機化学合成して製造されます。
最も歴史の長い人工甘味料で、砂糖の約300〜500倍の甘味度があります。
旧来のラット研究だけでヒトに発がん性が確立しているとは言えません。ADIや使用条件の国・年度にも注意が必要です。
サッカリンとサッカリンNaは関係する物質ですが、表示名・ADIで用いる換算基準は資料ごとに確認します。
根拠の種類:EFSA 2024年安全性評価
以前のラット試験で膀胱腫瘍が観察されましたが、EFSAはその作用機序が雄ラット特有でヒトへそのまま適用できないと評価しました。新たな研究でも遺伝毒性の懸念は認められず、一般的なヒトのがんリスクとの結び付きは低いとしました。
根拠の種類:EFSA 2024年
EFSAはサッカリンとその塩(E954)についてADIを遊離イミド換算9mg/kg体重/日に設定しました。EUの推計摂取量はこの値より低く、許可された使用条件で安全上の懸念はないと結論しています。
| 項目 | 日本 | 米国 | EU |
|---|---|---|---|
| 規制の厳しさ | きびしい | ふつう | きびしい |
| 制度上の扱い | オルトトルエンスルホンアミド等を原料として合成される人工甘味料であり、食品衛生法に基づく指定添加物(サッカリン、サッカリンナトリウム)として管理されています。 | 21 CFR 180.37に基づき、暫定食品添加物(Tolerances for interim food additives)として認可されています。 | 規則(EC)No 1333/2008 Annex IIに基づき、食品添加物E 954(サッカリンおよびその塩類)としてポジティブリストに収載されています。 |
| 使用条件 | 食品区分ごとに厳格な使用基準(上限値)が定められています(清涼飲料水0.30 g/kg以下、しょう油0.50 g/kg以下、漬物類0.20〜2.0 g/kg以下等)。甘味度は砂糖の約300〜500倍。JECFA ADIは0〜5 mg/kg体重/日です。 | 21 CFR 180.37により、清涼飲料水で12 mg/液量オンス以下、加工食品で1食あたり30 mg以下などの上限値が規定されています。FDA ADIは15 mg/kg体重/日です。 | 食品区分ごとに最大使用限度(清涼飲料で80 mg/L以下、菓子類等で個別上限)が設定されています。EFSA ADIは5 mg/kg体重/日です。 |
| 原材料表示 | 「甘味料(サッカリンNa)」または「サッカリンNa」と用途名併記等で表示します。 | 原材料名欄に「saccharin」「sodium saccharin」等と表示します。1977年から義務付けられていた発がん性警告ラベルは、科学的評価の見直しを経て2000年の連邦法可決により撤廃されました。 | 用途名と物質名またはE番号「sweetener: saccharin」または「sweetener: E 954」と表示します。 |
| 近年の見直し | 過去のラット高用量投与による膀胱腫瘍機序(ラット特有の結晶析出・細胞増殖機序)が解明され、IARC等でヒト発がん性は否定されたものの、日本では伝統的な漬物や歯磨剤等での限定的使用が中心となっています。 | 2000年の警告表示撤廃法(SWEETENERS Act)および2010年のEPA有害物質リストからの削除により、安全性が公的に再確認された甘味料として流通しています。 | EFSAの食品添加物再評価プログラムにおいて、最新の毒性データおよび曝露量データに基づく安全性の再確認が進められています。 |
資料の公表年とKS2|Know, Select, Stay Wellの調査日は別です。各資料の対象・条件は本文を参照してください。国内外の規制判断は適用地域や評価年が異なります。
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