主な論点
一度に多く摂る人は軟便や下痢に注意してください。体重当たりのADIは症状が必ず発生する閾値ではありません。
甘味を加える
低糖質食品の甘味料として使われる糖アルコールです。EFSAは2023年、下痢を防ぐためのADIを設定しました。
低エネルギーの甘味や口あたりの調整に使われます。
デンプン由来のブドウ糖を原料に、耐浸透圧性酵母(Moniliella pollinis等)を用いて好気的発酵させ、発酵液から精製・結晶化します。
糖アルコールの中で唯一カロリーが実質ゼロ(0 kcal/g)と評価されています。
一度に多く摂る人は軟便や下痢に注意してください。体重当たりのADIは症状が必ず発生する閾値ではありません。
糖アルコールを多く含む菓子を一度に食べると、体質によって軟便や下痢が起きます。
根拠の種類:公的資料・メーカー公表(商品ごとの表示とは区別)
EFSAはヒトの下痢に関する研究から、体重1kgあたり1日0.5gのADIを設定しました。血中濃度と心血管イベントの関連を示す研究もありますが、食品として摂ったエリスリトールが原因であるという確証はありません。
| 項目 | 日本 | 米国 | EU |
|---|---|---|---|
| 規制の厳しさ | ゆるい | ゆるい | きびしい |
| 制度上の扱い | ブドウ糖を酵母により発酵させて製造される四炭糖アルコールであり、食品衛生法に基づく指定添加物(甘味料、製造用剤)として管理されています。 | FDAのGRAS通知制度(GRN 000076等)に基づき、異議なし(No questions)レターを受領したGRAS物質として食品甘味料等に広く使用されています。 | 指令2006/52/ECおよび規則(EC)No 1333/2008 Annex IIに基づき、食品添加物E 968としてポジティブリストに収載されています。 |
| 使用条件 | 成分規格が設定されています。分子量が小さく小腸で速やかに約90%が吸収され、代謝されずにそのまま尿中に排泄されるため、日本の栄養表示基準上エネルギー換算係数は0 kcal/gと定められています。小腸吸収率が高いため他の糖アルコールよりも下痢を起こしにくい特性を持ちます。JECFA ADIは「not specified」。 | cGMPに従い各種食品区分で使用されます。FDA規則上もカロリー評価は0 kcal/gとして扱われます。 | 量子満足原則(quantum satis)が適用されます。従来飲料への使用は不可でしたが、規則(EU)2015/1832により清涼飲料への香料目的等での使用(最大1.6%)が認可されました。 |
| 原材料表示 | 「エリスリトール」または甘味の目的で使用する場合は「甘味料(エリスリトール)」と表示します。 | 原材料名欄に「erythritol」と表示します。 | 用途名と物質名またはE番号を併記し「sweetener: erythritol」または「sweetener: E 968」と表示します。規則(EU)No 1169/2011 Annex IIIに基づき10%超含有製品には緩下作用警告表示が義務付けられています。 |
| 近年の見直し | ゼロカロリー食品・飲料の主要甘味素材として広く定着しています。2023年に海外で報告された血中エリスリトール濃度と心血管イベント(血栓形成・心筋梗塞)との関連を示唆する疫学観察研究については、内因性合成の交絡や因果関係の検証が内外の学会等で議論されています。 | 2023年の心血管リスクに関する観察研究論文の発表後、FDAはGRASステータスに変更はないとしつつ、因果関係の有無に関する追試・科学的エビデンスの集積を注視しています。 | EFSAは2023年12月(2024年公開)にエリスリトール(E 968)の包括的安全再評価オピニオンを採択しました。心血管疾患リスクの観察研究については因果関係が立証されていないと結論付けた一方、浸透圧性下痢の発生閾値(0.5 g/kg体重)に基づき、小児等の高摂取群における消化器症状を考慮した基準値見直しを勧告しました。 |
軟便・下痢:摂取量・食べ方・体質や体調によって起こる場合があります。原材料名だけから発生率や個別商品の症状を予測するものではありません。
根拠の種類:EFSA:エリスリトールE968の再評価(2023)/東京都保健医療局:糖アルコールの摂取と下痢。原材料についての情報であり、この食品を食べた人に必ず症状が起きるという意味ではありません。
資料の公表年とKS2|Know, Select, Stay Wellの調査日は別です。各資料の対象・条件は本文を参照してください。国内外の規制判断は適用地域や評価年が異なります。
特定の原材料を除外して検索しても、その原材料が不使用であることやアレルギー上の安全性は証明できません。購入時には現在のパッケージとメーカー情報を確認してください。